潰瘍性大腸炎は、大腸に炎症が起こり、下痢や血便、腹痛などの症状を繰り返す病気です。
潰瘍性大腸炎の治療では、まず5-ASA(5-アミノサリチル酸 メサラジン)製剤というお薬が使われることが多くあります。
多くの患者さんに使用されている大切なお薬ですが、まれに、このお薬が体に合わない方がおられます。
薬を飲んでいるのに症状が悪くなる?
5-ASA製剤を飲み始めたあとに、
● 発熱する
● 下痢がひどくなる
● 血便が増える
● お腹が痛くなる
● 体がだるくなる
といった症状が現れることがあります。
このような状態を「5-ASA不耐症」と呼びます。
難しいところは、こうした症状が潰瘍性大腸炎そのものが悪化した時の症状とよく似ていることです。
そのため、「病気が悪くなった」と思って薬を増やしたり続けたりしていると、実は薬が原因だった、ということもあります。
5-ASAが合わなくても治療方法はあります
最近、当院でも潰瘍性大腸炎の患者さんで、経過から5-ASA不耐症が疑われるケースがありました。
5-ASA製剤の継続が難しいと判断し、「コレチメント」という別のお薬で治療したところ、症状が改善し、現在は良好に経過されています。
コレチメントは、大腸の炎症を抑えるステロイドのお薬です。
ステロイドと聞くと心配される方もいらっしゃいますが、コレチメントは大腸で効果を発揮するよう工夫されたお薬で、潰瘍性大腸炎の状態を落ち着かせるために使用される治療薬の一つです。
もちろん、すべての患者さんに同じ治療が適しているわけではありません。症状や炎症の程度などをみながら、その方に合った治療を選択することが大切です。
「薬を飲んでから調子が悪い」と感じたら
潰瘍性大腸炎の治療中に、
「薬を飲み始めてから、かえって下痢が増えた」
「血便がひどくなった」
「熱が出るようになった」
などの変化があれば、病気の悪化だけではなく、お薬が体に合っていない可能性も考える必要があります。
ただし、自己判断でお薬を中止することはおすすめできません。
気になる症状がある場合には、早めに主治医へご相談ください。
潰瘍性大腸炎は、患者さんによって症状やお薬への反応が異なります。
当院では、病気の状態だけでなく、「そのお薬が患者さんに合っているか」ということにも注意しながら、一人ひとりに合わせた治療を心がけています。