大腸内視鏡検査は肛門から内視鏡(カメラ)を挿入して直接腸の内腔を観察出来るためレントゲンに比べて見落としや誤診が少なく、また病変があった場合には粘膜を少し採取(生検)して細胞検査を行えます。また大腸ポリープがあった場合にはその治療も同時に行えると言う利点があります。さらにレントゲンによる被爆もなく、バリウムによる便秘を気にする必要もありません。
この大腸ポリープとは、大腸の内側の粘膜から発生するいぼ状の腫瘤で、大きさは 1mm大のものから3cmを超える大きなものもあります。形はきのこのように茎を持っているものから、茎のないものや平盤状のものなど、色々な形のものがあります。大きなものや表面がきれいでないものは早期のがんや前癌病変である確率が高く、そのようなものは見つけ次第切除しておく必要があります。
大腸ポリープ切除の方法(ポリペクトミーと粘膜切除)

最近ではポリープを切除するためにお腹を開いて手術をするような事はほとんどなく、この大腸内視鏡を使って、検査と同時にポリープを切除する方法(ポリペクトミー=癌の可能性が無い場合)や周囲の粘膜を少し含めて切除する方法(内視鏡的粘膜切除=癌の可能性がある場合)が普及しています。これらの方法は内視鏡を使っての手術であり多少の危険を伴い、次のような合併症があります。
その1つは術後出血で実施後1〜5日後に多少の血便がある場合がありますが、ほとんど安静にしているだけで止血します。その頻度は約1000人中5〜7人(0.5〜0.7%)程度です。術後出血の予防のため現在血液をサラサラさせるお薬(抗凝固剤ワーファリン、血小板凝集抑制剤バファリン、パナルジンなど)を飲まれている場合は2〜7日程度休薬していただく必要があります。
またもう1つは腸の穿孔(壁に孔が開く事)で、特に粘膜切除術の場合には極く希に起こります。この場合は強い腹痛を伴い、開腹手術が必要となることもあります。頻度は約1000人中2〜3人(0.2〜0.3%)程度です。このようなことのないように慎重にさせていただきますが、万が一合併症の発生した場合には迅速に対処させていただきます。
一般病院では外来通院での大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合にその日は観察だけに留め、また日を改めて入院の上もう一度大腸内視鏡およびポリペクトミーを行う事が多いようです。この場合に患者さまの身体的、経済的負担が必要以上に増えることもあります。 したがいましてこのような負担を軽減するため
当院ではご本人やご家族の了承がある場合は、日を改めずに、そのまま検査中にポリペクトミーや粘膜切除を行うことも可能ですので、ご希望の方は前もってご相談下さい。その場合ポリープが小さければ(1cm未満)、入院せず通院で術後経過を観る場合がほとんどですが、合併症が予想される場合は1泊入院が必要になることもありますのでご承知おき下さい。この場合は迅速に入院先病院の手配をさせていただきます。
術前の身体の状態を調べるため、胸部レントゲンや心電図、血液検査(止血能、感染症、血液型など)をさせていただきます。ただし最近(1ヶ月以内)にこれらの検査をされた方は省略する場合があります。
・大腸内視鏡検査(観察のみ)… 約8.000円
・大腸ポリープ切除術 … 約25.000円〜30.000円
・病理検査(細胞検査)… 約2.600円(1臓器につき)
・使い捨てシーツ1〜3枚 … 2.000円〜3.000円(実費)
・その他 … 診察料、処方箋料(お薬が出た場合)
大腸ポリペクトミー・粘膜切除は通常の大腸内視鏡検査とほとんど同じ手順でおこなわれますが、診断のための検査ではなく、あくまで手術に準じた治療ですのでその費用も高くなります。なお概算は上記のようになります。
上記の表は「患者様3割負担」の場合です。「1割負担」の場合には3分の1の医療費となります。細胞検査の数(切除したポリープの数ではなく、切除した場所の数)により費用が変わります。ご不明の点がありましたらご遠慮なくお尋ねください。
検査中に使用するシーツはお一人ずつ使い捨てのものを使用しています。これは実費負担していただいています。感染の可能性のない安全な検査のためですのでご了承ください。その他検査・手術中に使う生検鉗子や針もお一人ずつ使い捨て(ディスポーザブル)のものを使用していますが、これらは検査・手術料に含めますので患者さまの自己負担が増えるものではありません。
大腸ポリペクトミーは外来で済んでしまいますが、あくまでも手術ですので生命保険に加入されており、契約内容(疾病特約)によっては手術としての保険金がおりる場合があります。保険会社とご相談され、証明書が必要な場合にはご持参下さい。記入させていただきます。