上部消化管内視鏡検査は口から内視鏡(カメラ)を挿入して直接食道、胃、十二指腸の内腔を観察出来るためレントゲンに比べて見落としや誤診が少なく、ポリープや潰瘍などの病変があった場合にはその組織を取り、病理検査を行えると言う利点があります。さらに潰瘍の大きな原因の一つであるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染の有無を調べることもできるので、今後の治療方針をすぐに立てることができ適切な治療を迅速に行うことが可能です。またレントゲンによる被爆もなく、バリウムによる便秘を気にする必要もありません。
上部消化管内視鏡検査による事故で最も気をつけないといけないものは、検査前などに使う薬剤に対するアレルギー反応です。特にのどの麻酔に使うキシロカインビスカスなどに含まれる「キシロカイン」に対するアレルギーは急激なショックをおこして命に関わる場合もあります。これは歯の治療などでも使われる局所麻酔薬ですが、今までにアレルギーをおこしたことのある方は検査予約前に必ずお申し出下さい。なおキシロカインにアレルギーがある患者様の検査をする場合には、のどの麻酔をせず、強い安定剤で眠っていただいている間に検査をすることも可能です。詳しくは、検査予約時に医師または看護師におたずね下さい。
検査中の事故には、出血や穿孔(食道、胃、十二指腸の壁に穴があくこと)などが報告されていますがごくまれで、日本全国で検査を受けた方の約0.007%と報告されています。このようなことのないように慎重に検査を行いますが万一、このような重篤な合併症が発生した場合には、輸血や手術も考慮した治療を適切にかつ迅速におこないます。なお、検査が終了したあとで吐血・黒色便・持続する腹痛などがありましたら、すぐにご連絡ください。
検査に用いた内視鏡や、生検鉗子類を介して肝炎ウイルスや細菌(ヘリコバクター・ピロリ)などの感染がおこる可能性もありますが、当医院ではお一人ずつ内視鏡洗浄器を使って洗浄し、日本消化器内視鏡学会消毒委員会で定められたガイドラインに従って機器の洗浄を行っています。また血液が付着する可能性の高い生検鉗子や穿刺針はお一人ずつ使い捨てのものを使用し、吐物や血液の付着した器具やガーゼ類などは専用のコンテナに密封して感染性医療廃棄物として廃棄しています。さらに内視鏡洗浄器内の細菌培養検査を定期的に行い、感染防止に努めています。なお使い捨ての器具は検査料に含めますので患者さまの自己負担が増えるものではありません。
自己負担3割の方で約3500円(診察料や処方箋料、薬代などは含みません)です。病理検査(細胞検査)やヘリコバクター・ピロリの有無を調べる検査を行った場合には費用が1600〜4000円程度(3割負担の場合)増えます。